一枚のハガキ

約2年前から認知症になった88歳の叔母が施設に入っている。
同居していた長男や離れて住んでいた次男が面会に行っても誰だかわかっていない。

親にわかってもらえない息子たちをそばで見ている者には、その切なさが痛いほど伝わってくる。
そして入居してからすぐに出直した自分の夫のことも。

只、私がいつも絵を描いて送っていたハガキのことは覚えているのである。

そこで、毎月施設に絵入りのハガキを送ることにした。

「姉ちゃん(今までそう呼んでいたから)、お元気でまわりの皆さんと楽しく過ごしていますか?こどもおぢばがえりのひのきしんに行ってきました。たくさんのこどもたちがおぢばに帰ってきたのですよ!」

「面会に来る人たちに私のハガキのことを喜んで話している」と、スタッフの人から私に返信がきている。
痴呆を少しでも送らせられたら…と願いつつ。

甲斐さんからWEB広報担当に、残暑見舞いのおハガキもいただきました。こんな素敵なハガキが毎月届けられているのですね。

この記事を書いたのは…
  • 名前:甲斐繁子(かいしげこ)
  • 教会:百萬分教会(宮﨑部属)
  • 立場:教人
  • 所在:大阪市東住吉区
  • 猛暑とコロナに閉じ込められ自由を失った老人の日課は、ごみや吸い殻、缶拾いと草むしり。認知症の予防にもなると大教会からのオファーに応え、これまでの日々のあれこれを振り返ってみることにしました。
  • 文章に添えられたイラストも甲斐さんの手によるもの
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