『にほん』を守る

ご存知の方もいると思いますが、宮和分教会の隣に元フランス人の翻訳家で、旧姓をジャン・マーク、今は改名され為沙道中(いさみなか)と称する方が住んで居られます。
父君は元々ハンガリー人でフランスに移住され、彼もそこで生まれ育ったようですが、若い頃から日本が好きで。20歳頃一度沖縄に来て、22~23歳頃再び日本に戻ってからはずっと日本で暮らし、その後松山に転籍したそうです。

ハンガリー人は見た目は西洋人そのものですが、元々はアジア人で、その昔中央アジアあたりから民族移動で今の地に移り住んだようです。それで私が、あなたは元々アジアに縁があって、アジアに呼び戻されたようなものですねと言うと、
「そうです、だから『帰化』と言うでしょう」
と答えました。 それで、
「成程、アジアの日本に帰って来たのですね、お帰りなさい」
と振ると、すかさず
「ただいま」
と笑って返してきました。

彼は日本の文化が好きで、朝起きたらお天道様に感謝するなどとも言っていました。日本語の成り立ちにも興味があり、元々の日本語(大和言葉)の一音一音には意味が感じられるし、古来、言霊があると信じられてきたのも理解できると言っていました。また日本人の礼儀正しさ、律義さ、正直さ、謙虚さを大事にする文化と、勤勉性、親切心、おもてなしの精神などに感銘を受けて来たけれど、最近若者達からその文化が失われようとしているのではないかと心配しており、それを維持し守る為に、何らかの貢献をしたいとも語っていました。

近年ユーチューブなどで、多くの訪日外国人からもそれらが日本人の美徳として称えられたりしているのですが、そのように言われるのは日本人として嬉しい限りでもあり、我々も為沙さん同様、この先、この日本文化が失われていかないか憂慮している所ではあります。

思えば、教祖がおふでさきで「にほん」というものを盛んに強調されていたのはこのことではないのか、よふぼくは率先してこれを守らねばならないのではないか、お道はその最後の砦にならなければならないのではないか、その為の心得がおかきさげに示されているのではないか、などと種々思案したことでした。

このコラムは、毎月発行の天理教宮和分教会月報「宮和だより」からの抜粋です。
掲載文:2024年8月1日発行「宮和だより」から
執筆者:二宮哲英

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